カーナビはもういらない?
スマホナビと専用機、カーナビ屋が本音で答える
先に正直に言います。街乗り中心で、たまに知らない場所へ行く程度なら、スマホのナビで十分です。カーナビを売っている店がそう言うのか、と思われるかもしれません。でも、だからこそ両方の得意・不得意を一番よく知っています。この記事では「スマホで十分な人」と「専用機にすると幸せになる人」を、忖度なしで仕分けします。
01まず、スマホナビの強さを認める
GoogleマップやYahoo!カーナビの強みは、はっきりしています。
- 地図が常に最新。新しい道もお店も、更新作業なしで反映される
- 無料。アプリを入れるだけ
- 検索が速い。店名でもあいまいな言葉でも、音声でも探せる
- 渋滞情報が豊富で、到着時間の予測も優秀
この4つは、正直なところ専用機が逆立ちしてもかなわない部分を含みます。「地図の鮮度と検索」で勝負したら、スマホの勝ちです。
02それでも専用機が生き残っている理由——「自車位置」の仕組みが違う
では、なぜカーナビ専用機は今も売れ続けているのか。一番大きな理由は、自分の位置を知る仕組みがそもそも違うからです。
スマホはGPSの電波だけが頼りです。一方、車に取り付ける専用機は、GPSに加えて車速信号(タイヤの回転から進んだ距離を知る)とジャイロセンサー(曲がった向きを知る)を組み合わせています。つまり、空が見えなくても自分がどこにいるか計算し続けられる。
03画面と音——毎日乗る人ほど効いてくる
スマホの画面は6インチ台、専用機は7〜9インチ。数字以上に、運転中の「ちら見」で入ってくる情報量が違います。交差点の拡大図と車線案内が大画面に出るのは、知らない土地では素直に安心です。
そして音。専用機は車のスピーカー全部から案内と音楽を鳴らし、音質の調整機能も持っています。テレビやDVD、HDMI入力で動画も楽しめる(「HDMI入力でできること」)。車内を「移動するリビング」にできるのは専用機ならではです。
04スマホの弱点が出る4つの場面
- 夏の車内——ダッシュボードのスマホは直射日光で高温になり、保護のため画面が暗くなったりアプリが止まったりすることがあります。真夏のナビ止まりは、いちばん困るタイミングで起きます
- 電池と発熱——ナビアプリは電池を大食いします。充電しながらの連続使用は、発熱をさらに加速させます
- 通知の割り込み——案内中にLINEや着信が画面を覆う。運転中に一番見たい画面が、一番邪魔されやすい
- 圏外——山道やスキー場への道など、電波が届かない場所では地図が読み込めないことも。専用機は地図を本体に持っているので圏外でも同じように動きます
加えて地味に効くのが、乗るたびのセットが要らないこと。ホルダーに付けて、ケーブルを挿して、アプリを立ち上げて——毎日のことになると、この30秒が意外と重い。
05結論:あなたはどっち?
| スマホで十分な人 | 専用機にすると幸せな人 |
|---|---|
| 街乗り・近所の移動が中心 | 通勤や仕事で毎日車に乗る |
| 知らない場所へは月に数回 | 長距離ドライブ・帰省・旅行が多い |
| トンネルの多い道をあまり走らない | 都市高速・山道・立体駐車場をよく使う |
| 車内で動画や TV は見ない | 車内で音楽・TV・動画も楽しみたい |
| ホルダー運用が苦にならない | 乗ってすぐ案内が始まってほしい・家族も運転する |
右の列に3つ以上当てはまるなら、専用機を検討する価値があります。
06「専用機は高い」への、第三の答え
専用機をためらう最大の理由は価格でしょう。新品のカーナビは10〜20万円。たしかに、スマホが無料の時代に気軽な出費ではありません。
でも、ここにカーナビ屋としての本音の提案があります。中古なら、ひと世代前の上位モデルが新品の半額以下で手に入ります。カーナビは走行距離で消耗する機械ではないので、最新地図に更新済みの個体なら、案内も画面も音も、ほぼ現役です。
よくある質問
Q. スマホをナビ代わりに使うのは違反にならない?
ホルダーなどでしっかり固定して使う分には問題ありません。手に持って操作しながらの運転は「ながら運転」として罰則の対象です。固定していても、走行中の注視・操作は避けてください。
Q. 車に付いているナビの地図が古い。買い替えるべき?
まず地図更新ができるモデルか確認を。更新は1.5万〜2.5万円程度が目安です(「地図更新の費用と方法」)。更新サービスが終了した古いモデルなら、最新地図入りの中古ナビへの載せ替えが現実的です。
Q. ディスプレイオーディオはどうなの?
スマホの地図を車の画面に映す「中間の答え」です。画面の大きさは解決しますが、案内の頭脳はスマホのままなので、トンネルや圏外での弱点は変わりません。そこを重視するかどうかで選んでください。