カーナビの音はまだ良くなる
5分でできる音質設定入門
当店では全品を初期化してから発送しますが、初期化するとナビの音は「素」の状態に戻ります。検品台でこの素の音を毎週聴いていると、前の持ち主が調整した音との差に驚くことがあります。同じナビでも、設定でここまで変わるのかと。逆に言えば——スピーカーを替えなくても、あなたの車の音はまだ良くなる余地がある、ということです。5分でできる入門編をどうぞ。
01まず「どこで聴くか」を決める——基準は運転席
音の調整は「どの席で聴いて合わせるか」を決めるところから始まります。いちばん長く座るのは運転席のはずなので、基準は運転席で構いません。
車の音が家のオーディオより難しいのは、聴く人が左右スピーカーの真ん中ではなく、どちらかに寄って座っているからです。この「座る位置のかたより」を前提に整えていくのが、カーナビの音質設定の基本になります。
02イコライザーは「プリセットから少しだけ」
イコライザーは、音の低い成分・高い成分の強さを調整する機能です。いきなり自分でバーを動かすより、まず「ポップス」「ロック」などのプリセット(あらかじめ用意された設定)から好みに近いものを選び、そこから低音・高音を少しだけ動かすのが失敗しないコツです。
ありがちな失敗は、低音も高音も目一杯持ち上げてしまうこと。一聴すると迫力が出たようで、長く聴くと疲れる音になりがちです。動かすなら1〜2目盛りずつ。
03バランス・フェーダーと「タイムアライメント」
バランスは左右、フェーダーは前後の音量配分です。まずは中央のままで構いませんが、歌声がぼやけて感じるときに少し動かしてみると、声の位置がはっきりすることがあります。
さらに一部の機種には、各スピーカーまでの距離の差を補正する「タイムアライメント」という機能があります。運転席は右のスピーカーに近く、左のスピーカーには遠い。この時間差をそろえて、目の前で演奏しているように聞かせる仕組みです。搭載の有無や調整方法は機種ごとに違うので、お使いのモデルの説明書で確認してください。
04音源側も見直す——出どころが良ければ調整も効く
設定をどれだけ詰めても、元のデータが荒ければそこが上限になります。強く圧縮された音源より、圧縮の少ない音源のほうが調整のしがいがあります。USBメモリで聴いている方は、CDから取り込むときの音質設定を一段上げるだけでも変わります(「カーナビでUSBメモリの音楽を聴く」)。
ハイレゾ(CDより情報量の多い高音質データ)対応機なら、音源もハイレゾでそろえる選択肢があります。また、曲ごとの音量差が気になる場合は、音量を自動でならす機能(ラウドネスや音量正規化)を持つ機種もあります。
05ブランドの傾向——調整のカロッツェリア、ハイレゾのケンウッド
大まかな傾向として、カロッツェリアは調整項目が多く「自分で音を追い込みたい人」向き。ケンウッドの彩速ナビはハイレゾ対応など「素の音の良さ」を推す傾向があります(「ケンウッド彩速ナビ入門」)。あくまで傾向で、機種ごとの差はありますが、音を重視して選ぶなら知っておいて損はありません。ブランドの選び方は別記事にまとめています(「カロッツェリアとケンウッド、結局どっちがいい?」)。
よくある質問
Q. 設定をいじって変になりました。リセットできますか?
できます。多くの機種には音質設定を初期値に戻す機能があり、本体全体を初期化しなくてもオーディオ設定だけ戻せることが一般的です。説明書で「音質調整の初期化」などの項目を確認してください。
Q. スピーカー交換と設定、どちらが効きますか?
順番としては「まず設定、次にスピーカー」をおすすめしています。設定は無料で今日でき、効果も体感しやすい。そのうえで物足りなければスピーカー交換を検討する、という順番が出費に対して合理的です。
Q. ハイレゾは体感できますか?
静かな環境でじっくり聴けば違いを感じる方が多い一方、走行中の車内は走行音もあり、差を感じにくい場面もあります。対応機と良い音源で聴く価値はありますが、まずは基本の設定を整えるのが先です。